これまで、ビートたけしと二人三脚で“オフィス北野”を運営してきた森昌行社長であるが、たけしの独立を機に、スキャンダルの渦中の人となってしまった。そのきっかけは4月13日に、たけし軍団のメンバーらによる、森社長の不正財務の告発を思わせる声明文がブログに掲載されたからだった。今回は、声明文に関わったとされる軍団メンバーと、森社長との間に生じた力関係について分析してみようと思う。
そもそも上場しないプロダクションの多くは、ワンマン社長のカリスマ性によって成り立っている。このため社員の給与や所属タレントの待遇は、社長の胸先三寸で決まる……それを誰もが暗黙の了解として受け止めていた。
しかし今回、ビートたけしの独立で勃発した“オフィス北野”のトラブルは、所属タレントからの告発という、一昔前では考えられない行動が問題を泥沼化させたと言えるだろう。所属タレントが社長にモノ言うこと自体、時代は変わったものだと思えてならない。
そこで、告発に踏み切った「たけし軍団」のメンバー8名と、森社長との間に生じた力関係が気になったために、調べてみることにした。以下に、9名の間に生じた「因果」をまとめてみた。
図をご覧頂いても分かるように、森社長を中心とした8名との関係は、「栄と親(夫婦星)」が1組、また「友と衰(恋人星)」の相性が4組、仕事仲間に適した「危と成(同胞星)」が1組と、森社長がコキ使える立場にある「安の相手」が2名いることが分かる。つまり、森社長に破壊作用をもたらす「壊の相手(宿敵星)」が、一人も存在していないのが何とも不思議だ。「友と衰」の相性が多いことに、何か原因があるのだろうか。
そもそも、「友と衰」の相性は、互いに「楽しさを共有し合う関係」だとされている。このため、恋愛や趣味などを楽しむ付き合いとしては最適の相性である反面、金銭や権利、株などの利害が絡むと、無意識のうちに「自己利益の追及」に走る傾向がある。
今回起きた「たけし軍団」と森社長とのトラブルも、「たけし」の独立によって軍団側に生じた「今後の活動」への不安、そして森社長が抱えた「事務所維持」への現実問題が重なり合い、「楽しい仲間」だったはずの“オフィス北野”がバラバラになったと言えるだろう。
「友と衰」の仲間によって起きた企業騒動と言えば、2004年に証券取引法違反で騒がれた「ライブドア事件」を思い出す。あの事件も、堀江社長と経営陣との相性は「友と衰」で占められていた。森社長とたけし軍団との間で、株の配分が行われるようであるが、それは騒動を鎮めるどころか、火に油を注ぐようなものだ。これからどうなって行くのか、騒動から目が離せない!