サッカーW杯まで残すところ約2ヶ月となった4月9日、日本サッカー協会の田嶋幸三会長は、ハリルホジッチ監督を4月7日付で解雇したことを明らかにした。また後任の監督として、6月14日に開幕するロシアW杯で指揮を執るのは、日本サッカー協会・技術委員長の西野朗に決まった。
なお、ハリルホジッチ監督解任の理由について田嶋会長は、「3月に行われたマリ戦とウクライナ戦から、選手と監督との信頼関係が薄れてきた」ことを挙げている。まさに、人間関係の支障が解任の理由だとされているが、真相はどうなのだろうか。
ロシアW杯まであと2ヶ月というこの時期に、日本サッカー協会は何故ハリルホジッチ監督を解任しなければならなかったのか……それが今回のテーマだ。
そこでハリル前監督と田嶋会長、後任の監督に就任した西野監督の3人の宿と相性について見てみよう。
図を見れば分かるように、3人の間に生じた相性は「友と衰」、「業と胎」……。この関係をどのように解釈すべきか? それをこれから考えてみよう。
これまでもお話している通り、「友と衰」は『楽しさを追求し、共有する』因果でつながれた相性だとされている。確かにサッカー観戦は楽しいが、チームを組織する側と、選手をまとめる側は「楽しい」などと言ってられない。そこには金銭や利権が絡み、協会の会長と監督は現実と常に向き合わなければならない。
そんな厳しい状況に置かれたリーダーたちが、「友と衰」の因果で結ばれているとしたら……到底「苦難を分かち合い、共に乗り越える」と言う気持ちにはなれないだろう。その結果、選手や監督の入れ替えが始まり、協会と監督、選手間の信頼関係は薄れて行くことになる。まさに今回の、ハリル監督の解雇は「友と衰」の因果に生ずる『負の因果』の特徴だと言えるだろう。
しかも、田嶋会長の「心宿」は、疑心暗鬼を抱えやすい宿であるため即断即決が苦手だ。監督や選手から「善く思われたい」と言う気持ちが先立つと、決断が鈍ることにもなるだろう。W杯まで2か月となった現段階での監督交代は、「心宿」の迷いが足を引っ張っていたのでは? と思えてならない。
ハリル前監督の「室宿」と新監督・西野氏の「底宿」は、「業と胎」の生まれ変わりの関係にある。つまり、監督をハリル氏から西野氏に交代しても、選手たちとの相性は何も変わらないことになる。もし違う点があるとすれば、それは単純に「言葉」だけだろう。それほど「室宿」と「底宿」の思考、価値観は酷似していると思うべきだろう。
むしろ、監督と選手の宿が、試合当日にどのような「日の吉凶」にあるのか? そちらの方が勝負には重要である。次回は、日本が勝利した試合と、「監督と選手との信頼関係が薄れた」とされる、リマ、ウクライナ戦の「日の吉凶」を比べながら、「勝機の見方」についてお話させていただこう。