2017年に起きた“森友学園問題”は、今年3月になって財務省による公文書の改ざんが発覚し、安倍政権の屋台骨を崩す勢いにまで発展している。
今回は、問題の渦中にいる人物の間に生じる相性(力関係)を見ながら、安倍政権の今後について考えてみようと思う。
前回は、安倍晋三(張宿)、昭恵夫人(角宿)、籠池泰典(尾宿)の3名の相性を調べたが、そこに財務大臣の麻生太郎(觜宿)と元国税庁長官・佐川 宣寿(昴宿)の2名を加えた10通りの相性をご紹介しよう。
この図で分かるのは、麻生大臣の宿は昭恵夫人と「生まれ変わり」の関係にあるため、麻生氏もまた安倍首相に「潰される関係」にあることだ。
つまり、麻生大臣は安倍首相に「逆らえない」力関係にある。また安倍首相と「栄と親」という、公私ともにベストパートナーとされる相手が、籠池氏と佐川氏であることが何とも皮肉だ。首相には「憎めない2人」を自ら追求することは難しいだろう。
その他の相性は、ビジネスパートナーに適した「危と成」の関係が2通りと、楽しさを追求する「友と衰」の相性が3通り…。
特に、「友と衰」の相性の場合、お互いが逆境に見舞われた時に、それを共に乗り越えることが難しいため、「金の切れ目が縁の切れ目」になりやすい相性でもある。このため、麻生大臣が佐川氏を「呼び捨て」にするのも頷けるだろう。
これら10通りの相性を分析しても、“森友学園問題”がここまで泥沼化した決定的な要因は見当たらない。では何故、ここまで問題が大きくなったのだろう。
これ以外の人間関係に、問題が生じていると思えてならない。
そこで、籠池氏と佐川氏からは離れて、安倍首相、昭恵夫人、麻生氏の3名に、菅官房長官と9月に行われる総裁選のキーマン、石破氏を加えた5人の相性(力関係)を表したものが次の図だ。
5人の間に生じた10通りの相性(力関係)のうち、8通りが「安と壊」の関係にあることが分かる。
まさに、“森友学園問題”が噴出し、騒動が沈下するどころか炎上したのは、安倍晋三氏を支えるべき妻と腹心との関係に、負の力が働いていることが最大の原因だと見るべきだろう。
たとえ昭恵夫人が表舞台から姿を消しても、副総理・麻生氏、官房長・菅氏である以上、“森友学園問題”で生じた負の作用は、他に潜んだ問題へと連鎖して行くだろう。
この窮地を乗り切るには、人の入れ替えしか手立てはないが、果たして安倍首相はいかなる判断をするのか、そこに注目したい。