3月14日、タレントで映画監督のビートたけし(女宿)が、3月一杯で所属事務所「オフィス北野」を退社し、独立する報道が流れた。たけしは当初、「より自由な活動を求めた独立」と語っていたが、4月1日に「たけし軍団」のメンバーがブログに声明文を掲載。実は、森昌行(亢宿)社長による「事務所の財務問題」が、たけし独立の原因だったことを明らかにした。
今回は、たけしと森社長の相性を見ながら、騒動の原因をさぐろうと思う。
この騒動に関係する人物は、たけしと森氏の他に、いち早く帰郷した「井出らっきょ(觜宿)」と事務所残留の口火を切った「ガダルカナル・タカ(鬼宿)」、そして声明文を出した「水道橋博士(胃宿)」の3名が絡んでいる。ますは、この5名の相性(力関係)をご覧いただこう。
たけしの宿は、学問と芸術を好み、秩序と序列に厳格な「女宿」。そして森社長の宿は、信念を一途に貫き、世の中の矛盾に反抗する「亢宿」だ。この二人の相性は、楽しさを共有する「友と衰」の関係とされている。「オフィス北野」を設立した当初、二人は大いに意気投合して盛り上がったことだろう。しかし、この相性を長期間維持するには一つだけ条件がある。
そもそも、この相性は別名『恋人星』とも呼ばれ、趣味や好み、価値観を共有できるために、初対面から意気投合する関係とされている。会話は弾み、親密な関係が築けるために、次第に「一緒に何かを始めよう」と思う傾向がある。
しかし「友と衰」は、あくまでも「楽しさを追求する」相性である反面、苦難や逆境を「共に乗り切る」には適さない相性でもある。このため、二人の間に金銭や仕事と言った利害が生じると、お互いが自己利益の追求に走るために、関係が崩れるとされている。
つまり、「金の切れ目が縁の切れ目」……それが「友と衰」の関係の弱点であり、まさに今回の騒動が、二人の相性を物語っているだろう。
たけしが森社長へ文句をつけた発端は、「井出らっきょ」を熊本へ帰郷させたことだったとされている。しかし、それが騒がれないのは、「たけし」と「井出」、「森社長」と「井出」の相性が、「栄と親」という『最高の縁』で結ばれているからなのだろう。つまり、井出はたけしへの恩を感じる一方、森社長への特別な不満があった訳ではなく、揉め事を嫌う「觜宿」が井出の宿であったことが、帰郷を選択させたのだろう。
今後「たけし」が、井出との間に生じた『最高の縁』に気づけば、新事務所の仕事を井出に分け与えるだろう。